父兄らの批判に学校側が謝罪 (「神社新報」・平成16年5月3日)
度会町にある県立度会高校(今春から南伊勢高に統合)では三月、卒業文集が発行されたが、このなかで男性教諭(50)が自衛隊を「公営暴力団」と記述していたことが分かり、父兄などから批判が続出、学校側は謝罪の上、同誌を回収する事態にまで発展している。
問題となっているのは卒業記念の生徒会誌に掲載された、生徒会が教員を対象にしたアンケート調査。「今いちばん腹立たしいのは何ですか」という質問に、ほかの教師が「スキーにいけないこと」「日本らしさが無くなっていること」などと答えているのに対して、この教員は「最近では公営暴力団のイラク派兵」と書いた。
「公営暴力団」が自衛隊を指すことは明らかで、父母やOBなどから「自衛隊は命の危険を顧みずにイラクに派遣されている。”暴力団”とはなにごとか」と批判が続出、同校には問い合わせの電話が寄せられた。
また自衛隊員の家族らは「家族の会」を結成し、「公営暴力団とは何を指すのか」「差別発言、名誉毀損ではないか」「教員を処分すべきではないのか」と迫る質問状を県教育長や校長らに提出した。
学校側は「不適切な表現」と認め、生徒には全校集会で、父母には文書で校長が事実関係を説明、謝罪した。また同誌を回収し、問題箇所を「墨塗り」した上で再配布する予定という。県教育委は「たいへん遺憾」として、同校などと連名で「家族の会」に謝罪文を送付した。問題の教諭は「配慮を欠いていた」と深く反省しているという。
三重県教育界の実態に詳しい皇學館大学の松浦光修助教授は「戦後五十年以上にわたって反日勢力は”人権”を表看板にしつつ、自分たちの気に入らない人々の”人権”を平気で蹂躙してきた。蹂躙されてきた人々も言われっ放しで、いわば「負け癖」がついていたように思う。その点、今回、自衛隊の家族が勇気をもって声を上げ、教師側の謝罪、文集の回収という対応を引き出したことは画期的だ。ことは自衛隊のみならず、同じく反日勢力から、不当に”差別”されがちであった神社神道にも、示唆するところが大きいのではないか」と語っている。