昨年12月に改正された「教育基本法」にそった教科書づくりを行おうと、保守系の大学教授やジャーナリストら114人が賛同し、「改正基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」(教科書改善の会)が24日、発足した。次回検定で「扶桑社」の子会社が発行する中学歴史・公民教科書の編集を支援するとともに、教科書改善に向けたネットワークの構築を目指す、としている。
同会の代表世話人には政治評論家の屋山太郎氏が就任したほか、三浦朱門元文化庁長官や渡辺昇一上智大名誉教授、中西輝政京大教授、小田村四郎元拓殖大総長らが世話人に名を連ねた。
改正基本法に盛り込まれた「公共の精神」の尊重や「国を愛する態度」の育成を教科書に反英させるため、扶桑社側に執筆者を推薦したり編集方針について助言したりするという。
屋山氏は「分かりやすく、読んで楽しい教科書をつくりたい」と話している。
(産経新聞・平成19年7月25日)
(関連資料1)
改正教育基本法に基づく「日本の教科書」を!(設立趣意書)
改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会
学校の教科書は、それで学ぶ子供たちはもとより、教師や保護者にとっても「教育の拠り所」であるとともに、その国の将来の姿を映し出す鏡でもあります。
義務教育の教科書が「無償」で供与されるのは、次世代を担う日本の子供たちに良質で均等な教育環境を保証することが、国家の盛衰にかかわる重大事にほかならないからです。
昨年十二月、制定から約六十年を経てはじめて「教育基本法」が改正され、さらに本年六月には、学校教育法などの教育三法も改正され、教育をめぐる「戦後の枠組み」は根本的に改められることになりました。教科書においても、近く「学習指導要領」が改訂され、次回の教科書検定より改正された教育基本法、学校教育法、及び学習指導要領の新しい指導理念のもと、従来の教科書は大幅に書き改められることになったのです。
これまでにも幾たびか教科書改善の道は模索されてきました。しかしながら、「旧教育基本法」が厚い壁となってそれを阻んできました。
「旧教育基本法」は、自国への「愛」や「道徳心」を育み、「公共の精神」を重んじ、先人が培ってきた尊い「伝統」を受け継ぐという、どの時代、どの国であっても、およそ公教育には不可欠な理念が欠落しているものでした。その結果、「旧教育基本法」のもとでの教科書改善は、執筆にせよ、採択にせよ、どうしても限界をともなうものでした。
しかし、今、その壁が取り払われたのです。
私たちは、このような新時代の到来を歓迎するとともに、それに相応しい教科書を子供達に届けるため、これまで教科書改善に取り組んでこられた方々の志を受け継ぎ、あらたに幅広い教育関係者の皆様の賛同を得て、「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」を結成しました。
私たちの目的は、改正教育基本法の理念に沿った教科書の作成ならびにその普及を側面から支援し、不毛な戦後イデオロギーから子供たちを解き放ち、我が国に古くから伝わってきた清らかで明るく躍動感に満ちた希望の光を、子供たちの心にともすことです。
今、日本の子供たちにもっとも必要なのは、この自国への素直な愛と希望の光であり、そこから自然に生まれる「自己肯定感」です。子供たちに身につけて欲しい「生きる力」や「思いやりの心」、そして「国際理解」も、自国への素直な「愛と誇り」と「自己肯定感」から生まれるのではないでしょうか。
時は満ちました。
「改正教育基本法」が求めているのは、最新の学問的研究成果にもとづき、現場の先生方の豊かな経験を生かした、子供たちの目が輝き出す教科書です。
清らかで明るく、正しく直く、平易にして品格のある教科書を子供たちは待っているのです。そんな教科書が誕生し、多くの子供たちに読まれるために、私達はできる限りの活動を行って参ります。
今を生きる大人から次代を担う子供たちへの最大の贈り物。
そんな胸を張って誇れる教科書を子供たちに届けるため、一人でも多くの皆様のご理解とご支援を願ってやみません。
平成十九年七月二十四日
(関連資料2)
改正教育基本法に基づく教科書改善を進め
る有識者の会(教科書改善の会)役員名簿
《代表世話人》 屋山太郎(政治評論家)
《世 話 人》 石井公一郎(元東京都教育委員) 小田村四郎(元拓殖大学総長)
中西輝政(京都大学大学院教授) 三浦朱門(元文化庁長官)
三宅久之(政治評論家) 村上和雄(筑波大学名誉教授)
渡部昇一(上智大学名誉教授) 渡辺利夫(拓殖大学学長)
《賛 同 者》 ※7月23日現在の承諾者 105名
青葉ひかる(評論家) 秋山昭八(弁護士)
秋山昌廣(海洋政策研究財団会長) 阿曽村邦昭(吉備国際大学大学院教授)
石井昌浩(元国立市教育長) 石塚透(國學院大學栃木中学校校長)
磯前秀二(名城大学教授) 市村真一(京都大学名誉教授)
伊藤隆(東京大学名誉教授) 伊藤哲夫(日本政策研究センター所長)
伊藤玲子(建て直そう日本・女性塾幹事長) 稲垣直(日本国防協会理事)
井上雅夫(同志社大学教授) 入江隆則(明治大学名誉教授)
上杉千郷(学校法人皇學館理事長) 宇佐美忠信((財)富士社会教育センター理事長)
潮匡人(評論家) 内田智(弁護士)
梅澤史毅夫(学校法人日本航空学園理事長) 叡南覚範(毘沙門堂住職)
大蔵雄之助(異文化研究所代表) 大多和聡宏(学校法人大多和学園理事長)
大原康男(國學院大學教授) 小川義男(狭山ヶ丘高等学校校長)
桶屋良祐(念法真教教務総長) 小沢俊夫(弁護士)
小野田寛郎(小野田自然塾理事長) 鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)
加計孝太郎(学校法人加計学園理事長) 勝岡寛次(明星大学戦後教育史研究センター)
加藤寛(千葉商科大学前学長) 加藤十八(中京大学名誉教授)
金井肇(前日本教育文化研究所所長) 椛島有三(日本協議会会長)
川上和久(明治学院大学教授) 木村治美(共立女子大学名誉教授)
日下公人(社会貢献支援財団会長) 久保田信之(アジア太平洋交流学会代表理事)
クライン孝子(ノンフィクション作家) 黒田耕誠(岩国短期大学学長)
小河二郎(MDS会長) 古田島洋介(明星大学教授)
児玉久寿(日本を考えるMC東京会会長) 小林隆(伝承文化研究会代表)
小林正(元参議院議員) 小林道憲(福井大学教授)
小堀桂一郎(東京大学名誉教授) さかもと未明(漫画家)
桜井富夫(学校法人常総学院理事長) 佐々淳行(初代内閣情報室長)
佐藤和男(青山学院大学名誉教授) 佐藤健二(東京都教師会会長)
澤英武(外交評論家) 塩川正十郎(元文部大臣)
篠沢秀夫(学習院大学名誉教授) 島田洋一(福井県立大学教授)
すぎやまこういち(作曲家) 高橋宏(首都大学東京理事長)
高山正之(ジャーナリスト) 田下昌明(豊岡中央病院理事長)
田中英道(東北大学名誉教授) 田中平八(弁護士)
種子島経(元東京BMW社長) 千葉真一(俳優)
津田勉(学校法人津田学園理事長) 寺島泰三((社)日本郷友連盟会長)
寺田一清(不尽叢書刊行会代表) 富岡幸一郎(文芸評論家)
中尾建三((社)全国教育問題協議会理事長) 中條高徳((社)日本国際青年文化協会会長)
中村粲(獨協大学名誉教授) 中村勝範(平成国際大学名誉学長)
中山理(麗澤大学学長) 西岡力(東京基督教大学教授)
西川淳(甲子園学院中学校高等学校教頭) 新田均(皇學館大学教授)
野口芳宏(日本教育技術学会名誉会長) 蓮尾直美(三重大学教育学部教授)
花岡信昭(産経新聞客員編集委員) 花田紀凱(WILL編集長)
平岡英信(清風中学校・高等学校校長) 廣池幹堂((財)モラロジー研究所理事長)
松井嘉和(大阪国際大学教授) 松浦光修(皇學館大学教授)
松平康隆(日本バレーボール協会名誉会長) 丸山敏秋((社)倫理研究所理事長)
三浦博史(日本マナー・プロトコール協会専務理事) 水島総(日本文化チャンネル桜代表)
宮﨑正治(日本教育再生機構常務理事) 宮崎義敬(神道政治連盟会長)
三好祐司(前全日本教職員連盟委員長) 村田昇(滋賀大学名誉教授)
村田良平(元駐米大使) 百地章(日本大学教授)
森敬惠(二期会ソプラノ歌手) 森田健作(俳優)
八木秀次(高崎経済大学教授) 安元百合子(全国退職女性校長会顧問)
山口宗之(九州大学名誉教授) 山中祥弘(ハリウッド美容専門学校理事長)
山本卓眞((財)偕行社会長) 山本豊((社)全国教育問題協議会常務理事)
横山安宏(都公立小学校長会OB会会長) 吉田圭一(明徳義塾中学高等学校校長)
吉田好克(宮崎大学准教授)
[敬称略・50音順]